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食材・料理のQ&A

落花生のカビは危ない?生落花生・殻など見分け方のポイント

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 坂本圭子】

落花生(ピーナッツ)の殻や薄皮に白いカビが生えていたら、食べない方が良い状態です。

特に近年人気の生落花生は水分が多いことが原因でカビが生えやすいため、注意して保存する必要があります。

落花生 カビ

落花生には白カビだけでなく、人体に有毒なアフラトキシンという物質を作り出すカビも生えやすいため注意しましょう。

カビ以外にも劣化が進んで食べられなくなることもあるため、鮮度の見分け方のポイントなど、知っておきたい以下の項目をご紹介していきます。

この記事を読むと、落花生を日持ちさせる方法がわかるので、生の落花生が手に入ったり特売などでピーナッツをまとめ買いしたりしても、正しく保存しておいしく味わうことができますよ。

落花生のカビの危険性から食べるのを敬遠される方もいますが、ぜひこの記事を参考にしておいしさを堪能してくださいね。

 

記事監修者・管理栄養士・坂本圭子先生記事監修・坂本圭子先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士フードスペシャリスト/ 管理栄養士として病院、介護老人保健施設、保健センターで10年の経験を経てフリーランスに転身。現在は、執筆、レシピ開発、オンラインダイエット食事指導、サプリメントの商品企画、監修を中心に活動。プライベートでは2児の母であり、毎日パワフルに子育て中。休日は子ども達と一緒にパン作りをするのが趣味。

   

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落花生にカビっぽいものが?食べられるか見分け方のポイント

落花生の殻に白い毛のようなものが付いていたら、白カビが生えている可能性が高く、そのさやは食べない方が良いため取り除きましょう。

落花生に生えるカビには、人体に有害なアフラトキシンという物質を産生するものも含まれるため要注意です。

まずは、白いカビが生えた場合に、そのさやの種は食べない方が良い理由から解説します。

生落花生は鮮度が命!カビが生えたら食べない方が良い

殻付きの生落花生は殻に白カビが生えやすく、中の薄皮や種にもカビの菌糸が入り込んでいることがあるため、残念ですがカビたさやは中身(種)も食べずに廃棄しましょう。

こちらのように収穫したての落花生はカビが生えやすいので、家庭菜園の場合もカビ対策は力の入れどころですね。

落花生は収穫後に煎る・茹でる・揚げるなどの加熱調理をして食用になりますが、この頃はスーパーでも収穫後に未調理の生の落花生が販売されており、人気があります。

生 落花生 カビ

しかし、生落花生は水分が多いためカビが生えやすく、塩茹でにした後も食べ切れないときには適切に保存しなければなりません。

また、カビは種類が多く、白のほか青・緑・黄・赤・黒色などさまざまな色をしていて、同じ色でもカビ毒(マイコトキシンン)を産生する有毒なタイプがあり、同時に違う種類のカビが生えていることもあります。(※1)

落花生やピーナッツにカビが生えたら、有毒かどうかの見分け方は見た目だけでは難しいため、白いカビであっても食べない方が良いです。

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
「落花生」「ピーナッツ」は別名でもありますが、殻付きを落花生または南京豆、食べる部分である中の種をピーナッツ(粒)と表すことが多いですね。

さらに、カビは目に見えない部分に菌糸を伸ばしたり、成長すると周りに胞子を飛ばしたりしている場合もあります。

カビた落花生をさやごと取り除いたら、周りのさやは良く観察し、殻や中の種にカビや虫食い・変色がある場合はカビ毒汚染の可能性があるので食べないようにしましょう。(※2)

以上のように落花生やピーナッツのカビは食べたら危険だと言われるのは、猛毒とされるカビ毒、アフラトキシンを作る場合があるためです。

落花生やピーナッツがアフラトキシンに汚染される原因や体への悪影響について解説します。

アフラトキシンはカビが作る有毒物質!

落花生にカビが生えると、気候や環境によってはカビ毒のアフラトキシンに汚染される可能性があり、海外からの輸入品からは実際に検出されています。

アスペルギルス・フラバス(コウジカビの一種)などが作り出すアフラトキシンは、人の肝臓に対して強い発がん性があり、多量摂取で急性肝炎を起こすほか少量でも摂取し続けると肝臓がんの原因になることも…。(※3)

「ピーナッツの芽にはもともとアフラトキシンが含まれ、芽になる部分を取って食べれば発がん性は心配ない」という噂があるようですが、これはどうやら誤っているようですね。

落花生 カビ アフラトキシン

落花生は中国からの輸入が多く、過去に中国産ピーナッツを加工した商品からアフラトキシンが検出された事例も報告されています。(※4)

中国産の輸入落花生にカビ毒が検出されるのは、収穫・保管時の乾燥や選別の問題もあるかもしれませんが、船便で輸送されることでカビが生育しやすい環境におかれるのが大きな原因のようです。(※5)

自家栽培で落花生を育てる場合も、カビには十分注意してくださいね。

こちらのように、落花生は収穫時の天日干しで十分に乾燥させてカビを防止し、さらに不良なさやや粒を確実に選別して取り除くと、カビ毒を防げますよ。

また、アスペルギルス・フラバスは熱帯・亜熱帯の国々に多く存在するカビで、温帯の日本では落花生を含めて農作物を汚染する可能性は低いと言えます。

日本でも平成23年から全ての食品に総アフラトキシン量の規制を始め、国産に関わらず国内で流通する落花生やピーナツは安全性が確認されているので、過剰に心配する必要はありません。(※6)

どうしても気になる方は、国産の落花生をはじめ、輸送によるカビ毒の発生が心配ない商品を選ぶのも良いかもしれませんね。

また、中国産・国産に関わらず、もしカビっぽいピーナッツを食べてしまったとしても、カビやカビ毒は少量を一度食べたからといってすぐに中毒などの症状が出るわけではないため慌てなくても大丈夫です。(※7)

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
落花生やピーナッツにカビが生えるといつもと違う味になるため、異変を感じたらすぐに食べるのをやめましょう。体調が悪くなったらすぐに受診できるよう、日中に食べるのもおすすめです。

ここまでで落花生にカビが生えたら食べない方が良い理由をお伝えしましたが、国産品で殻が黒いのは黒カビではなく問題無く食べられる場合が多いですよ。

殻の黒ずみや黒い模様は問題無く食べられる

国産落花生は殻が薄くて黒ずんでいるものが多く、黒い斑点のような模様が見える場合もありますが、黒い部分にふわっとしたものが付いてなければカビではないため食べて大丈夫でしょう。

落花生 カビ 大丈夫

国内の主な産地である千葉県を含む関東平野は火山灰に由来する土壌のため鉄分が多く、落花生が土中で生育するうちに影響を受けて黒い殻になると考えられています。(※8)

以上のようなカビっぽい場合のほかにも、落花生やピーナッツは腐って食べられない場合などもあるので、見分け方を知っておきましょう。

 

落花生が腐るとどうなる?カビ以外に食べたら危険な状態の見分け方

落花生はカビが生えるほかにも、腐って黒くなったり悪臭や汁が出たりすることがあり、食べると食中毒を起こす場合があるので要注意です。

落花生 カビ 黒い

ちなみに鮮度が高くおいしい落花生・ピーナッツは、殻にカビが付いてないのはもちろん割れもなく、中の薄皮や種は変色やへこみがなくふっくらとしています。(※9)

落花生にカビ以外の劣化があり腐った状態や、食べられるかどうかの見分け方を知っておきましょう。

粒や薄皮に変色・異臭があるものは食べたら危険!

落花生はカビのほか細菌が付いて腐っていくと変色や異臭がし、栄養成分が分解されて本来の風味を失うだけでなく、食中毒の原因になることもあるため食べると危険です。(※10)

確かに黒っぽくなっている落花生もあるので、腐っている様子が見受けられます。

このように黒い粒は腐っていると判断され、落花生栽培のために発芽しやすい種を選別する際には、白カビがあるものとともにまず取り除かれるそうです。

またピーナッツ粒は脂質を多く含むため、しっかり乾燥できていない場合や湿気の多い状態で保管された場合に水分や油が表面に出てきますが、さらに腐っていくと次のような状態になります。

腐ったピーナッツの特徴
  • 赤黒~黒に変色(汁や油がにじみ出る)
  • いつもとは違う味
  • 生ごみのような悪臭

ここまで明らかに食べられない状態でなくても、落花生やピーナッツは鮮度が落ちると風味が悪くなり、食べると体に悪影響が出る場合があります。

酸化が進むと風味が落ちて体にも悪影響が!

ピーナッツに多く含まれる脂質は空気中の酸素に触れると酸化して過酸化脂質になり、風味が落ちるだけでなく、動脈硬化の原因になるなど体に悪影響を及ぼすことがあります。(※11)

ピーナッツ 酸化

酸化は食品中の脂質だけでなくタンパク質や色素類などのさまざまな成分でも起こり、できた酸化物は風味を劣化させます。(※12)

ピーナッツは豊富なオレイン酸などの多価不飽和脂肪酸により、血中コレステロール値を下げるなど体に良いはたらきが期待できますが、酸化しやすいため保存の仕方に気を付けなければなりません。(※13)

ピーナッツは開封すると、空気に触れて少しずつ酸化が進み劣化していきます。

すぐに食べられなくなるわけではありませんが、健康のため過酸化脂質はできるだけ摂取しない方が良いので、次のようになったら食べるのはやめましょう。

酸化が進んだピーナッツの特徴(※14)
  • バターピーナッツではないのにベタつく
  • 古い油のような味・ニオイがある
  • 味がすっぱく感じる

以上のように落花生やピーナッツはカビが生えるほか腐敗や酸化が進むと、おいしくないだけでなく体への悪影響も危惧されるので、鮮度を保つため正しい保存方法を実践しましょう!

また鮮度の目安として参考になる、ピーナッツの賞味期限について知りたい方はこちらもご覧ください。

 

落花生をカビさせない対策を伝授!劣化を防ぐ保存方法

落花生の鮮度を保つには、カビや細菌の生育に必要な温度・酸素・湿度(水分)の3つの条件を断つことがポイントです。(※15)

おいしく食べられるように、カビや酸化などからの劣化を防ぐ方法や適した保存の仕方を覚えて取り入れましょう。

落花生 カビ 常温

落花生やピーナッツの状態別に冷蔵・冷凍保存のコツをお伝えするので、一度に食べる量も考えて適した方法で保存しましょう。

冷蔵庫・冷凍庫で状態別に正しく保存

落花生のカビ対策には、常温よりも冷蔵庫・冷凍庫での低温保存が適しています。

あらかじめ一度に食べる分量に小分けしておくと便利で効果的ですよ。

落花生 カビ 保存方法

ただし冷蔵の場合、冷蔵庫の野菜室は湿度が高いため避けましょう。

また、冷凍した場合は、茹で落花生ならレンジ解凍もできますが、加熱済みの袋入り商品をそのまま冷凍した場合は、袋の中に結露するのを防ぐため、しばらく室温に置いてから開封するのがポイントです。

落花生やピーナッツが乾燥・加熱されているかどうかで、適した保存方法や保存できる期間が異なるため、目安を知っておきましょう。

落花生の保存方法
冷蔵保存 冷凍保存
掘りたて生落花生
(未乾燥)
3日
乾燥生落花生
(未加熱)
1年以上 1年以上
茹でた生落花生 1ヶ月
加熱済み
落花生・ピーナッツ

(※目安期間が不明でも可能な場合は〇とした)

生落花生には堀りたてと乾燥させたものの2種類があり、掘りたては茹でて食べるのが基本です。

掘りたてタイプは触ると殻に湿り気を感じるほど水分量が多く劣化しやすいので、購入後はすぐに冷蔵庫に保管して3日以内に茹で、食べきれない分できるだけ早く冷凍保存すると良いですよ。(※16)

生 落花生 カビ

茹でた生落花生の冷凍保存は、殻付きのままでも殻をむいてからでもOKですが、殻付きで冷凍した場合は、殻と身の間に霜が付いて劣化しやすいため早めに食べましょう。

管理栄養士 坂本圭子
管理栄養士
坂本圭子
専門店などは、乾燥タイプの生落花生を長期保存しながら商品の製造をしているそうです。また、生落花生にはビタミンEやモリブデンなどのミネラルが多く含まれている特徴があります。

素炒りやバターピーナッツなどの加熱済み落花生の場合、近日中に食べる分は常温で大丈夫ですが、多量にあって食べきれないときは密閉できる袋や容器に入れて冷蔵・冷凍保存しておくと長く持ちます。

ちなみに、ピーナッツバターは水分量がごくわずかで乾燥度が高くカビにくいとはいえ、その分湿気に弱く、取り出す際のスプーンからの水滴などが原因でカビが生えることも…。(※17)

ピーナッツバターも酸化などの劣化を避けるには、フタをしっかりと閉めて高温多湿を避け、開封後は冷蔵庫での保存がおすすめです。

結論|落花生はカビが生えやすいので早めに食べよう

落花生は生の場合は特にカビが生えやすく、人体に有害なカビ毒が生成される場合もあるため要注意です。

しかし、鮮度が高い落花生なら、豊富な不飽和脂肪酸により血中コレステロールを下げるなどの体に良い効果も期待できます。

カビのほかにも腐ったり酸化したりして劣化したものを食べると健康を害することもあるため、落花生は保存の仕方に気を付け、鮮度の高いうちに早めに食べましょう

落花生やピーナッツの状態に合わせて鮮度とおいしさを保てる保存の仕方もご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。

※1 食品のカビについて|株式会社東邦微生物病研究所
※2 カビとカビ毒・カビ毒は調理で除去できる?|東京都福祉保健局
※3 いろいろなかび毒|農林水産省
※4 ピーナツ菓子から基準超のカビ毒|朝日新聞デジタル
※5 中国産ピーナツは安全か?輸入ピーナツの安全性についてプロが解説!|石井進商店
※6 食品衛生の窓・カビ毒Q&A|東京都福祉保健局
※7 カビの生えた饅頭を食べてしまいました。食中毒が心配です。【食品安全FAQ】|東京都福祉保健局
※8 落花生の黒ずみのお話|COOP
※9 落花生専門店が教えるピーナッツの種の選び方|石井進商店
※10 食べ物の腐敗と食中毒|株式会社ウエノフードテクノ
※11 酸化した油は病気の原因になる?|満岡内科・循環器科クリニック
※12 食品の酸化防止講座・第2回「食品成分は酸化でどうなる?」|太陽化学株式会社
※13 ピーナッツの栄養・カロリー・驚きの健康効果|鈴市商店
※14 ナッツの賞味期限とは?期限が切れたらどうなる?気になる保存方法も!|小島屋
※15 ピーナッツ(落花生)の保存方法。美味しさ長持ちのコツ|鈴市商店
※16 ほほえみごはん・【生落花生の食べ方ガイド】美味しいゆで方から冷凍保存まで!|ニチレイフーズ
※17 食品成分データベース・種実類/らっかせい/ピーナッツバター|文部科学省

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