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食材・料理のQ&A

しいたけの食べ過ぎは腹痛・下痢・吐き気の原因になる?1日の摂取量も解説

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料理・食材
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【監修者:管理栄養士 中山沙折】

しいたけを一度に食べ過ぎる食中毒のような腹痛や下痢、吐き気の原因になることがあります。

しいたけ食べ過ぎ

おいしくて栄養豊富な椎茸や干し椎茸はぜひ食卓に上げたい食材ですが、そのうま味成分や食物繊維こそが、食べ過ぎで体に悪影響を及ぼす原因に。

そこで今回は、しいたけの食べ方について次のことを調べました。

まず、しいたけを食べ過ぎると体にどんな悪影響があるのか、症状例をご紹介しましょう。腎臓病や通風との関係も要チェックです。

そして、食べ過ぎにならない摂取量の目安や栄養素のメリットを解説していきます。

この記事を読むと、しいたけの食べ過ぎの症状や1日の適量がわかり、食べ過ぎの心配なく味わえるようになりますよ。

安心してしいたけのおいしさと栄養を堪能できるよう、ご一緒に見ていきましょう。
 

記事監修者・管理栄養士・中山沙折先生記事監修・中山沙折先生
管理栄養士・栄養士
管理栄養士/ 一部上場企業にて食品研究に6年間従事。摂食障害を克服した経験から、現在はフリーの栄養士として特定保健指導を軸に栄養指導やダイエット指導をしている。「食は楽しい」の考えのもと食と健康のさまざまな分野に挑戦中。栄養に関する記事執筆や監修(大正製薬様DoctorsMe様)、レシピ開発にも携わっている。

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しいたけの食べ過ぎは腹痛・下痢・吐き気などの原因になる?

しいたけには毒性はないので、毒きのこのような食中毒の心配はありませんが、食べ過ぎると腹痛や下痢、吐き気などの胃腸症状が出ることがあります。

辛そうですね…。このように、しいたけをたくさん食べた後に気持ち悪い、胃が痛い状態になり、吐き気や下痢などで苦しんだという方もいます。

いったい何が原因なのか、しいたけを食べ過ぎることで起こる体への悪影響を調べ、症状や原因を解説していきましょう。

しいたけの食べ過ぎで腹痛・下痢・吐き気などの症状が起こる原因

しいたけの食べ過ぎで腹痛などの症状が起こる原因は、実は意識して摂りたいほどの大切な栄養素、食物繊維なんです!

食物繊維を一度に多く摂り過ぎると胃腸の消化機能に負担がかかり過ぎ、消化不良を起こしてしまうというのが理由のひとつです。

腹痛

そこで、しいたけに含まれる食物繊維量や、たくさん食べるとどれくらい摂取することになるのか見ていきましょう。

しいたけにはどれくらいの食物繊維が含まれてる?

きのこ類は食物繊維を多く含み、しいたけには菌床栽培の生しいたけで100gあたり4.9gが含まれています。(※1)

量ってみると、Mサイズの生しいたけで1個20gほど。軸を取ると可食部は16gになり、1個に0.784gの食物繊維が含まれ、仮に10個食べたとすると7.84gの食物繊維を摂ることになります。

しいたけ複数

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

Lサイズのしいたけなら30gくらいあるので、さらに多くの食物繊維を摂ることになりますよ。

干し椎茸は小さいもので1個約2g(可食部1.6g)には食物繊維量は0.656gです。乾燥していますが、元の生しいたけと1個に含まれる食物繊維の量は変わりません。

ただし、干し椎茸もどんこといわれる大きなものなら1個が5gあるので、食物繊維量も多くなりますよ。

ここで、食物繊維の体内でのはたらきについて解説し、過剰に摂るとお腹の中で何が起こるのか見ていきましょう。

食物繊維のはたらきとデメリットとは

一般的に食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分」とされ、体内で次のようなはたらきをしています。(※4)

食物繊維のはたらき
  • 腸壁を刺激し、腸がスムーズに動くようにして消化を促す
  • 便のかさや水分量を増やし、便通を良くする

しかし、この食物繊維の性質やはたらきが、次のように裏目に出る場合もあります。

食物繊維の摂取による悪影響
  • 食物繊維でかさが大きくなり過ぎた便が腸にとどまり、水分を吸収されて硬くなって便秘を悪化させる
  • 便が柔らかくなり過ぎて下痢を引き起こす
  • 一度に多量に摂取すると胃腸に負担がかかり過ぎて消化不良の状態になる

しいたけを食べ過ぎるとこれらの悪影響が起こり、結果として腹痛や腹部の不快感、下痢や便秘、吐き気などの症状が表れるというわけです。

椎茸や干し椎茸の食べ過ぎで起こる悪影響は、実は他にもあるのでご紹介していきますね。

しいたけの食べ過ぎによる悪影響は他にも!症状をチェック

しいたけの食べ過ぎは他にも、次のような悪影響を及ぼすことがあります。どんな症状があるのかチェックしておきましょう。

高尿酸血症

干ししいたけにはプリン体が多く含まれているので、食べ過ぎると血中の尿酸値が高くなり、高尿酸血症になる恐れがあります。(※5)

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

干ししいたけは生しいたけの約20倍ものプリン体を含みます。血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断され、痛風や尿路結石などの病気のリスクが高くなります。(※6)

腎機能障害

近年増えているCKD(慢性腎臓病)などの方は、腎臓のカリウムをろ過する力が弱くなっているため、カリウム含量の多い干ししいたけを食べ過ぎると、腎機能障害を悪化させてしまう恐れがあります。(※9)

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折
干ししいたけのカリウムは戻し汁に溶け出すので、腎機能が低下している場合、干ししいたけは戻してから使い、戻し汁は使わないようにしましょう。

それでは次に、食べ過ぎにならないためには、しいたけを食べる量は1日にどれくらいが適当か見てみましょう。

しいたけの食べ過ぎにならない1日の摂取量は何個?

しいたけを食べ過ぎないためには、どれくらいの摂取量が良いのか、毎日食べる場合で考えてみましした。

しいたけや干ししいたけを毎日食べるとしたら1日の適量は?

しいたけを毎日食べるとしたら1日にどれくらいが適量か、成人と妊娠中、子供、赤ちゃんに分けてご紹介します。

成人ならどれくらい?

成人におすすめの1日に食べる生しいたけの量は、毎日食べるなら約2個です。干し椎茸の1日量も同じ個数で大丈夫ですよ。

しいたけ2個

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による食物繊維の摂取目標量は、18~64歳の区分で1日当り男性21g、女性18g以上です。(※2)

そして「平成30年国民健康・栄養調査」の結果から、成人は平均で約14gの食物繊維を摂取していました。(※3)

このことから食物繊維の不足分は男性で7g、女性で4gになり、数値だけ見るとしいたけをたとえ10個食べても摂り過ぎとは言い切れませんが、急激に多量に食物繊維を摂ってしまうと胃腸に負担がかかってしまいます。

また、「野菜類を1日350g以上食べましょう」という目標と比べると、野菜類の平均摂取量は男性約290g、女性約270gで60~80g不足しているようです。(※10)

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

不足分には野菜・豆・きのこ・海藻や芋類から選び、小鉢1~2皿分の副菜(おかず)をプラスしましょう。食物繊維が補えるだけでなく、ビタミンミネラルなども摂れ食事全体のバランスが良くなります。

この2つから、しいたけは毎日食べるなら60gくらいの分量を普段の食事に足して食べるのがおすすめです。

しいたけ60gはMサイズなら3個、Lサイズなら2個ですが、1日のうちで舞茸やしめじ、えのきだけなど、他のきのこ類も食べる場合は分量を減らし、食べ過ぎを防ぐようにしましょう。

妊婦さんならどれくらい?

妊娠中、ママはお腹の中で赤ちゃんが成長するための栄養も一緒に食事から摂る必要がありますが、しいたけの1日の適量は約2個です。

妊婦さん

かつては、赤ちゃんの骨を作るカルシウムやその吸収に必要なビタミンDを多く摂るようにと言われたこともありました。

しかし、妊娠中の食事基準では全体の摂取エネルギー量などの多くは付加されますが、ビタミンDやカルシウム、食物繊維についても特に増やしません。(※12)

そのため、しいたけの適量は妊娠していない時と同じ約2個ですが、生よりもビタミンDが豊富な干ししいたけを選ぶのもおすすめですよ。(※11)

とはいえ、食物繊維もカルシウムやビタミンDも、妊娠中でなくても普段から不足している人が多いので、意識してしっかり摂るよう心がけましょう。

子供ならどれくらい?

中・高校生のしいたけの適量は成人と同じ1日約2個でOK。ビタミンDの補給に、干ししいたけを利用するのもおすすめです。

子供は体の発育が盛んで、骨を作る材料のカルシウムやビタミンDが不足しないようにしたい年代です。

成長期の子供

成長期(中・高校生)の子供の食物繊維の摂取目標量と実際の食物繊維の摂取状況を見てみると、食物繊維の不足分は約1~6gで、ほぼ成人と同じくらいです。

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

ただし、小学生以下の場合は食物繊維が十分足りている子供も多く、体格や年齢に合わせて一度に多く食べ過ぎないことも気をつけましょう。

赤ちゃんの場合は?

赤ちゃんの場合は、しいたけを与えるのは離乳食の完了期(12~18か月)の1歳を過ぎてからにしましょう。

適量は、他の野菜類と果物も合わせて1日40~50gです。できるだけいろいろな種類の食材で摂るのがおすすめですよ。(※13)

離乳食

干ししいたけの戻し汁は離乳初期(5~6か月頃)から出汁として使えますが、しいたけ自体は弾力があって噛み切りにくく、茹でてみじん切りにしてもつぶしにくいので、前歯が生えそろい、歯で噛めるようになる時期に始めましょう。

次に、しいたけを食べる時に守りたい注意点をご紹介しますね。

しいたけを食べる時の2つの注意点

安全にしいたけを食べるために、注意したい大切なポイントを2点ご紹介します。

水分も一緒にしっかり摂る

しいたけを食べる時は、水分も一緒にしっかり摂りましょう。食物繊維には、周りの水分を吸収して膨らむ性質があり、その作用で腸を刺激して便通を促します。

水分

水分の摂取量が足りないと食物繊維が膨らめず、便が腸内にとどまり、逆に水分を吸収されて硬くなるため便秘になってしまうんです。(※14)

十分に加熱する

しいたけはしっかり加熱して内部まで火を通し、生で食べないことが大切です。

加熱調理が十分でないと、食べた後に「しいたけ皮膚炎」といわれる、アレルギー反応のようなじんましんに似た発疹が出ることがあります。(※15)

焼きいいたけ

焼きしいたけの場合は、生焼けに十分注意しましょう。

その点では、しいたけを食べる際は水煮や煮物の方が安心で、食物繊維にあらかじめ水分を含ませておけるという意味でもおすすめですよ。

椎茸や干し椎茸は食べ過ぎなければ豊富な栄養素からメリットが多い食品です。最後に、その魅力的なはたらきをご紹介していきますね。

しいたけは食べ過ぎなければメリットも多い

しいたけは適量を上手に摂れば、健康維持に多くのメリットがあります。そこで、しいたけを食べると体にどんなメリットがあるのかご紹介しましょう。

豊富な食物繊維で便秘の解消や予防に役立つ

しいたけの豊富な食物繊維には、整腸作用があります。食物繊維が便の基材になってかさを増やし、水分を吸収して膨らむことで腸壁を刺激して便通を促します。

ダイエット

便秘の解消や予防に役立ちデトックス効果が期待できるので、健康にも美容にも良いと人気です。ダイエットで体型を気にしている方からも注目されていますよ。

そんなしいたけが簡単にお菓子で食べられる、しいたけチップスやしいたけスナックが話題に!

このように、コストコで販売されているしいたけとマッシュルームがさくさく食感になった商品、「しいたけマッシュルームクリスプ」のおいしさは口コミでも大評判なんです。

おいしくてつい食べ過ぎてしまわないように注意してくださいね。砕いてスープやサラダなどのトッピングにする方法もおすすめですよ。

低カロリーなのに食感で満足感が得られる

しいたけは弾力のある食感で噛み応えがあり、少量でも満足感が得られます。

しかも、脂質をほとんど含まず、生しいたけで100gあたり19kcalと低カロリーな食品なので、ダイエット中の方や食事制限をされている方にも人気です。

食事療法などでエネルギーやたんぱく質、塩分などの制限が必要な場合には、栄養素の摂取だけでなく満腹感を得ることにも役立ち、風味や香りが良く味つけがそれほど必要ないことからも重宝されていますよ。

管理栄養士 中山沙折
管理栄養士
中山沙折

干し椎茸は、高尿酸血症や痛風など持病のある方からはプリン体が多いため避けられますが、軽量な乾物で1個2~5gと1回に食事に使う分には大きな問題にはなりません。

がんや成人病の予防に役立つ

しいたけには、がんや成人病を予防し健康維持に役立つ成分が豊富です。

しいたけに含まれ、抗がん剤にも使われるレンチナンというβ-グルカン(食物繊維の一種で多糖類)により、免疫力を高めてがんを抑制するはたらきが期待できます。

成人病予防

さらに、LDLコレステロールを減らしてHDLコレステロールを増やすことで血中コレステロールを下げて血圧を調整するエリタデニンの作用で、動脈硬化の予防も。(※7)

また、糖質・脂質代謝の促進に役立つビタミンB群を豊富に含み、脂肪の蓄積を予防するはたらきもあります。

食物繊維がブドウ糖の吸収を緩やかにする

食物繊維には、消化管内でブドウ糖の吸収を緩やかにするはたらきがあります。

例えば、食事後に急激な血糖値の上昇を防ぎ、血糖値をコントロールして低血糖症を予防するのに役立ちますよ。(※8)

糖だけでなく、脂肪の吸収も緩やかになり、食後の急激な血中の中性脂肪の上昇も防ぐので、心臓・血管病予防のはたらきも期待できます。

骨を丈夫にする成分が豊富に含まれている

干ししいたけには、生しいたけを天日で乾燥させている間に作られたビタミンDが豊富に含まれています。

ビタミンDは、体内でカルシウムやリンの吸収を助けるはたらきをするので、丈夫な骨を作り、骨粗鬆症を予防するのに役立ちますよ。

また、豊富に含まれるトレハロースも骨粗鬆症予防に役立つといわれています。(※16)

結論|しいたけは食べ過ぎずに適量がおすすめ

しいたけは食物繊維をはじめ栄養が豊富なうえ低カロリーで、ダイエットなどにも重宝されますが、食べ過ぎると消化不良を起こし、腹痛や下痢、吐き気を起こす原因になります。

しかし、優れた整腸作用を持つしいたけは、料理に風味やボリュームもプラスでき、成人病や骨粗鬆症の予防など、さまざまな健康に良い成分も豊富です。

メリットが多いしいたけは子供から大人までぜひ摂りたい食材なので、一度に食べ過ぎないように気をつけて食卓に上げたいですね。

毎日食べる場合は、1日2個くらいを目安にするのがおすすめです。持病のある方は体調や条件に合わせて無理のない量にしましょう。

 

参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。

※1 食品成分データベース・日本食品成分表(2015版七訂)より・生シイタケ・菌床栽培・生|文部科学省
※2 栄養成分ナビゲーター・日本人の食事摂取基準(2020年版)より・三大栄養素江崎グリコ株式会社
※3 平成30年国民健康・栄養調査報告|厚生労働省
※4 Vol.3食物繊維は足りてますか?~効果的な摂り方~社会医療法人美杉会佐藤病院
※5 食品のプリン体含量両国東口クリニック
※6 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン沖の洲病院健康センター透析センター
※7 きのこの成分と効用林野庁
※8 低血糖症ナチュラルクリニック代々木・クリニックニュース
※9 腎臓病について一般社団法人全国腎臓病協議会
※10 e-ヘルスネット(情報提供)・野菜食べていますか?厚生労働省
※11 食品成分データベース・日本食品成分表(2015版七訂)より・乾しいたけ|文部科学省
※12 栄養成分ナビゲーター・日本人の食事摂取基準(2020年版)より・ミネラル江崎グリコ株式会社
※13 わこちゃんカフェ・離乳食進め方の目安和光堂
※14 便秘改善になる食物繊維の摂り方NHK健康チャンネル
※15 しいたけ皮膚炎-夏のバーベキューにご注意埼玉県皮膚科医会
※16 健康で丈夫な骨作りパワーのひみつ一般財団法人日本きのこセンター

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