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食材・料理のQ&A

れんこんが茶色い時は食べられる?中や表面など見分け方のポイント

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料理・食材
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【監修者:共立女子大名誉教授・薗田 勝先生】

れんこん(蓮根・レンコン)の皮や切り口の表面が黒や茶色になることがありますが、主にポリフェノールの酸化が原因で害はないため食べられる場合が多いです。

しかし、れんこんの穴が黒くなっているときは、中が傷んで食べられない場合もあるので、見分け方を知っておきたいですね。

れんこん 変色

また、れんこんは調理によって色が変わる場合もあるため、変色を防ぐ対処法や茶色いところを白く戻せる方法を覚えておくと便利です。

そこでこの記事では、れんこんの変色が気になる方にぜひ知っていただきたい次の項目について解説します。

この記事を読むと、れんこんの鮮度の見分け方がわかるようになり、変色しても食べられるかどうかで悩まなくなりますよ。

茶色くなったときのおすすめの食べ方などもご紹介するので、れんこんの栄養をムダにせず美味しく食べきりましょう。

 

記事監修者・共立女子大名誉教授・薗田 勝先生記事監修・薗田 勝先生
共立女子大名誉教授
共立女子大名誉教授・医学博士・薬剤師/ 生化学・基礎栄養学分野の教育と生体酸化ストレス・抗酸化の研究に埋没してきた共立女子大名誉教授。看護師の卵たちや外国人留学生らと、非常勤講師として現在も勉強を続けている。その分野は微生物・感染症、公衆衛生学に食品衛生学ではあるが、栄養生化学の勉強も怠らないよう努力している。著書には『栄養科学イラストレイテッド 生化学』『基礎栄養学』『食品機能学』『マンガで分かる栄養学』『管理栄養士国家試験解答と解説』 など多数。2018年度まで、日本フードスペシャリスト協会専門委員会委員、日本生化学会、日本ビタミン学会、酸化ストレス学会評議員も務める。
薗田勝先生の書籍情報

   

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れんこんが茶色くなる原因は?食べられるかの見分け方

れんこんにはタンニンというポリフェノールが多く含まれており、それが酸化することで茶色や黒に変色しますが、無害なため問題なく食べられる場合が多いです。

しかしれんこんには明確な賞味期限が設定されておらず、中が茶色に変色してほかにも異変が出てくると食べられないこともあるため、見分け方を覚えましょう。

まずは、れんこんが茶色に変色する原因や食べられる状態の見分け方を解説します。

切り口や皮の表面が茶色・黒・紫になるのはポリフェノールの酸化

れんこんに含まれるポリフェノールの一種・タンニンは酸化すると黒く変色するため、空気に触れたり鮮度が落ちたりすると切り口や皮の表面が黒・紫・茶色などに変わります。

レンコン 茶色 食べられる

新鮮なれんこんは皮が黄色から薄茶色で、切り口は白くみずみずしい状態で、硬くしまって重みがあります。(※1)

特に夏季に出荷される新れんこんは成長途中のため、中身が濃い白色ではなく透明感があり、格別なみずみずしさを味わえますよ。(※2)

このように通常は中身が白いれんこんですが、切ったり皮をむいたりしたところからタンニンが酸化して色素を作り変色が起こります。

れんこん 茶色く なる

またれんこんは収穫後に保存期間が長くなると、次第に皮の茶色が濃くなり、穴の内側が黒くなっていきます。

しかし、れんこんは茶色や黒っぽく変色した場合も、ほかに異臭やぬめりなどの異常がなければ無害なため食べても大丈夫です。

植物に含まれるポリフェノールは、動脈硬化や老化の予防などに役立つ抗酸化作用のほか、脂肪の吸収を抑えるなどのさまざまな効果が期待できる成分です。(※3)

またタンニンは加熱によっても酸化しやすくなるため、れんこんは調理後に変色することもあります。

写真左上のれんこんのように穴の内側が黒くなっても、ほかに異変がなく中が白い場合はタンニンの酸化による変色と考えられるため、問題なく食べられます。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
れんこんは中心にも穴があるため、真ん中(芯)だけが茶色くなる場合もありますよ。

タンニンを含めてれんこんにどんな栄養素が含まれているのか知りたい方は、こちらもご覧ください。

また、穴の内側が黒く見えても泥が付いているだけの場合もあり、洗えば通常通り食べられますよ。

土に含まれる酸化鉄の影響による変色

れんこんは泥の中にある酸化鉄の影響で茶色やピンクに変色することもありますが、体に害はないので問題なく食べられます。(※4)

酸化鉄とは、栽培中にれんこんが呼吸のため放出した酸素と泥中の鉄が結合したものです。

れんこん 茶色 ピンク

酸化鉄を吸収すると皮の表面が赤茶色や黒い斑点状に変色することがあり、これを「シブ」と呼びます。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
まれにれんこんの収穫中に穴の中まで泥が入ることがあり、酸化鉄の影響で穴までピンク・赤に変色することがあるそうですよ。

シブは体に悪影響はありませんが、見た目があまり良くないという理由で、シブ抜きして販売されることが多いです。

このようにタンニンや酸化鉄の影響で変色した場合は問題なく食べられますが、穴の内側まで黒くなったれんこんは傷んで食べられない場合もあるので、見分け方を解説します。

穴の内側が黒い場合はカビやぬめりなど中の腐敗も注意

穴の内側が黒ずんだれんこんは、空洞にカビが生えるほか中身が全体的に黒や濃い茶色に変色して腐るなど、傷んでいる場合があるので注意が必要です。

腐ったれんこんの特徴(※5)
  • 皮・中身が全体的に褐色・黒に変色している
  • ぬめり・異臭がある
  • 触ると硬さがなく崩れやすい
  • カビが生えている

れんこんはたっぷりの水を含んだ土の中で栽培されるため乾燥に弱く、保存中に水分が失われると傷みやすくなり、腐ってカビ・ぬめり・異臭がして明らかに食べられなくなります。

こちらのように、切ってみないとわからず残念な思いをすることもありますが、カット面が見える場合は穴の中に白いカビが見えないかもチェックしましょう。

れんこんにカビが生えたら内部に菌糸を伸ばしている場合もあるので、目で見える部分を取り除いても食べない方が良いです。(※6)

カビは種類によってカビ毒を生り出す場合があり、摂取し続けると発がん性などの心配があるので、カビが生えた食品は食べないようにしましょう。

とはいえ気付かずに食べても、カビ毒によってすぐに重篤な中毒症状が出ることはほぼ心配ないので慌てずに対処してください。(※7)

こちらは土付きれんこんのようですが、皮表面に明らかに白いカビが生えているのがわかります。この状態のれんこんは「皮むいたら中も黒い」場合も多く、どちらにしても食べない方が良いですね。

また、れんこんの表面を触ってネバネバしたぬめりがあるのも腐ってる証拠です。

こちらのれんこんは真ん中の空洞に白いカビが見え、中身も茶色に変色して傷みがひどく、明らかに食べられません。

腐ったレンコンを食べたらどうなるかは食べた量や体調にもよりますが、 食中毒を起こす場合があるため食べるのは危険です。(※8)

このように腐る寸前まで鮮度を落とさないよう、れんこんが茶色くなったら早めに美味しく食べきる方法をご紹介します。

茶色くなったれんこんを美味しく食べきるおすすめレシピ

れんこんはタンニンの酸化で茶色くなっても味には影響しないので、色が気にならないよう工夫して調理すれば美味しく食べられます。

食べ物の色は見栄えだけでなく食欲も左右するため、美味しく感じるためには重要なポイントです。

ただおせちやちらし寿司のように、料理によってはれんこんを白く仕上げたい場合もありますよね。

れんこん 茶色 白くする

そこで、れんこんが茶色っぽくなっても美味しく食べられるレシピや変色を防ぐコツ、白く戻す方法などをお伝えしていきます。

茶色っぽいれんこんを美味しくするおすすめレシピ

茶色になったれんこんを美味しく食べるには色が気にならないようにしょうゆなどで濃い色を付けたり、小さく刻んで混ぜ込んだり、ほかの野菜で彩りを加えたりする方法があります。

きんぴらをはじめれんこんを焼く・炒める場合は、しょうゆ・砂糖などを使って照りを付けるレシピがおすすめです。

れんこん 表面 茶色

仕上げに照りを付けてしっかり色付く

Cpicon 甘辛照り焼き♪れんこんはさみ焼き by めかまはぉ!

 

甘辛たれにはコチュジャンの代わりに酢を加えてもOK

混ぜ込む料理なら変色は気にならず、独特なシャキシャキ食感を楽しめます。

レンコン 茶色っぽい

刻んで混ぜ込み食感を生かす

Cpicon ≪しゃきしゃき≫◎蓮根と大葉のハンバーグ by ⁂あわあわ⁂

 

大葉は刻んで中に混ぜ込んでもOK

煮物なら全体が茶色になって変色は気にならなくなりますが、より美味しく見せるには、人参やエンドウ豆などの鮮やかな食材を合わせるのがポイントです。

レンコン 茶色に 変色

そのほかおつまみに人気のれんこんチップにすると、茶褐色に揚げ上がり香ばしさが加わって美味しく食べられますよ。

茶色になったれんこんも工夫次第で美味しく食べきれますが、そもそも変色させないためのコツや変色したところを白く戻す方法も確認しておきたいところですね。

れんこんを変色させないコツと白く戻す方法

れんこんの調理で変色を防ぐには、酸素・酸化酵素・鉄などのタンニンを酸化させる原因に触れさせない・作用させないことが大切です。

れんこんを変色から守る調理のコツ(※9)
  • 切った後すぐに水か酢水に漬ける
  • 鉄製器具を使わない

れんこんを水に漬けると切り口が空気に触れず、またタンニンが水に溶け出すため酸化を防げます。

さらに酢水は、主成分である酸の作用で酸化酵素のはたらきを抑えて変色防止に効果的なうえ、酸化したタンニンと反応して変色を白く戻すはたらきもします。

れんこんのアク抜き法と食感(※10)
アク抜きの方法 変色防止の効果 調理後の食感 向いている料理
水に漬ける 弱め ホクホク 煮物・蒸し物
酢水に漬ける 強め シャキシャキ サラダ・炒め物・混ぜ具材

アク抜きにはれんこんがかぶる量の水を用意し、酢水にする場合は水1カップ(200ml)に対して酢小さじ1/2~大さじ1を加えます。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
色を白く戻すには酢を多めにしましょう。

水と酢水では仕上がりの食感が変わるので、料理に合わせて使い分けるとより美味しくできますよ。

煮物は調味料が染みるためれんこんの茶色を白くする必要がなく、ホクホク食感も残したいので、変色予防には水を使うのがおすすめです。

急いでいるときは切ったらすぐに煮始めたいですよね。しかし、れんこんはアク抜きをしないで使うとこちらのように紫に変色することもあります。

またタンニンはと結びつくことでも黒くなるので、れんこんの調理で変色を防ぐには、鉄なべのほか鉄のフライパンや鋼の包丁なども使わないようにしましょう。

せっかくアク抜きをしても、鉄なべを使うとこちらのようにれんこんが紫や黒っぽい色に変色しやすいので注意してくださいね。

茶色になったれんこんも工夫次第で美味しく食べきれますが、なるべく鮮度を落とさず変色を防ぐ保存方法も覚えておきましょう。

れんこんが茶色くなるのを防ごう!正しい保存方法

れんこんが茶色くなるのを防ぐには、酸化や乾燥の原因を避けられるように包み、適温の5℃前後で冷蔵保存しましょう。(※11)

れんこんは、スーパーなどでは「土付きれんこん」と「洗いれんこん」に分けて販売され、節が付いたものとカットされて切り口が見える状態のものがあります。

れんこん 変色 大丈夫

土付きれんこんは外側が土で覆われているため乾燥が防げ、輸送時には表面に傷が付かないようクッションの役目も果たすので、鮮度を長く保ちやすいです。

またカットされているより両側の節が付いている方が、中が空気に触れないため変色や乾燥が起こりにくく日持ちします。

そこで、れんこんの状態ごとに適した保存方法や保存期間の目安をご紹介しますね。

土・節付きなどの状態に合わせた方法で冷蔵庫へ

れんこんの変色を防いで鮮度を保つため、カット・土や節の有無などの状態に合わせた方法で、冷蔵庫の野菜室などで保存しましょう。(※12)

れんこん 冷蔵庫 茶色

れんこんの冷蔵による保存期間の目安
れんこんの種類 カット 土・節付き
れんこん 1週間~10日 1ヵ月
新れんこん 5日 10日

カット後のれんこんは切り口が空気に触れないようラップで包んでからナイロン袋に入れて保存し、1週間を目安に使いきりましょう。

タッパーなどで水に漬けた状態でも保存できますが、栄養素が水に溶け出てしまうので、調理の際は漬け水ごと使うと良いですね。

れんこん 茶色 原因

土や節が付いている場合は濡らした新聞紙やキッチンペーパーで包んでからナイロン袋に入れ、1ヵ月を目安に保存できます。

新れんこんは日持ちしにくいため、冷蔵保存して早めに使いきりましょう。

ヨセミテ 編集部
ヨセミテ
編集部
れんこんは冷蔵庫で正しく保存しても切り口は少しずつ茶色になるので、表面を薄く切り落として使うと良いですよ。

そのほか、れんこんは冷凍すると約1ヵ月間を目安に保存できます。

れんこんを冷凍する方法
  1. 使いやすい大きさに切る
  2. 酢水でアク抜きする
  3. 水分を拭き取って冷凍用保存袋に入れる
  4. 空気を抜いてから密閉して冷凍する

加熱調理には解凍せずにそのまま使えるので、時短にもなり便利です。

結論|れんこんが茶色に変色しないように防ぐ方法を覚えよう

れんこんはアクの成分でもあるタンニンの酸化により茶色に変色しますが、もともと体に良いはたらきをするポリフェノールの一種で、変色しても無害なため食べても問題はありません。

しかし変色が進むと見た目が悪くなり、中が全体的に褐色や黒色になると腐って食べられない場合もあるため、見分け方を知っておきましょう。

少しくらい茶色く変色しても、レシピを工夫すると気にならないですし、水や酢水につけると変色を防いだり白く戻したりできるので、ぜひ覚えておいてくださいね。

鮮度を保つ保存方法も確認して、れんこんをムダにすることなく食べきりましょう。

共立女子大名誉教授 薗田 勝
共立女子大
名誉教授
薗田 勝先生
「ロータス」とは何とも心地よい響きですね。その根が蓮根「はすね」。レンコンです。さて、レンコンは、茶色くなっていても食べられます! 白くして食べたいときは、もう一度、本文の調理方法をご覧ください。レンコンの見分け方や保存方法も大切ですよ。調理する前のアク抜きはもちろんのこと鉄鍋を使用しないことなども重要なポイントでしたね。ところで、茶色などに変色する原因は抗酸化物質のポリフェノールでして、レンコンなどの植物に備わっている酸化に対する生体防御物質です。生き抜くための道具なのですね。ポリフェノールは、ヒトにとっても有用ですからレンコンに含まれている不溶性食物繊維とともに積極的に摂取してはいかがですか。
美味しいレンコン料理をいただいて、「泥中の蓮」のように清らかに生きたいものですね。
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